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和田塾通信2013/11

2013年11月 和田塾通信〔№42〕

今月気に入った言葉、気になった言葉

『社会の発展は、人間の創造力と可能性と徳性によってできる』

社会の発展とは、文明・文化の発展であり、経済の発展である。これは全て人間の叡知、つまり、創造力と可能性によってできる。
しかし、もっと大事なのは徳性である。徳性とは、人間の本来あるべき邪心のない世の平和を願う心のこと。これによって、素晴らしい社会の発展ができるのである。

「どの会社が生き残り」「どの会社が消えるか」

企業の栄枯盛衰をまたこの頃、感じるようにあった。そんな時、それぞれの会社は何をして生き残っていくのだろうかと改めて考えてみる。
最近、衝撃的なことがあった。ソーシャルゲーム大手のグリーが業績悪化に伴い、「社員200人の希望退職を募る」と発表した。大阪事業所も閉鎖するという。「200人」は社員(単体)の約11%にあたる。「大リストラ」と言っていいだろう。
情報社会における主力産業は広い領域でのIT産業である。この産業の特徴は「ドッグイヤー」(犬の1年は人間の7年に相当するが、それをIT業界の技術進化の早さに例えた)。
今までなら1年かかった技術の進歩が2ヶ月もあれば可能になっているようなことがIT業界では珍しくない。それ程、時間の流れが速く、激しい競争を象徴する言葉である。
グリーの創業は2004年、1人当たりの利益を1億円以上稼ぎ出したエクセレントカンパニーであったが、あっという間に経営の立て直しを迫られている。
mixiも同様だ。日本版SNSとして脚光を浴びたが、FacebookやLINEなどが出てきて、あっという間に利用者数が伸び悩んでしまった。
今、携帯電話業界も、機器メーカーもコンテンツ業界も大きく揺さぶられている。その根本はスマートフォンやタブレット端末にユーザーが広がってしまったことにある。わずか10年足らずで「モバイル経済圏」というデジタル上での経済活動が現実化している。タブレットの基本ソフト(OS)のシェアはグーグルのアンドロイドが62.6%と圧倒的だ。次いでアップル(ios)が32.5%、そしてマイクロソフト(ウィンドズ)が4.5%である。巨人マイクロソフトも焦るわけだ。
モバイルサービスの利用が見込める顧客基盤は、アップルが端末で6億台以上を世界に売っている。特にスマホ、タブレット、音楽配信に強みを持つ。アップルの売上げはスマホが5割、2割がタブレット、ソフトサービスは1割だ。
このハードの数とソフトの融合が最大の戦略になるが、それを支えるのがクレジットカード登録件数で5億件以上と推定されている。まさに「アップル経済圏」を創ろうとしている。
そしてアマゾンは、登録利用者数が2億1,500万人になり、電子書籍を大きな武器に端末(キンドル)を売り、総合ネット通販として「アマゾン経済圏」を築こうとしている。
そして今、ネット決済の会社が注目を浴びている。モバイル機器を使う決済規模は2013年、世界で約23兆円となる見込みである。これが17年には、さらに3倍の約70兆円にまで膨らむと推定されている。
米国のネット決済で急成長するイーベイ傘下のペイパルの登録者数は1億3,700万人になる。
今、このモバイル決済市場は、ものすごい参入競争が始まっている。その中で最も注目されているのが「スクエア」という会社だ。
この会社を創ったのはジャック・ドーシー氏、Twitterを生み出した男であるが、米国では「ポスト・ジョブズ」と言われている。
その仕組みは、スマホやタブレットに親指ほどの端末を差すだけで瞬時に決済端末に変わるというものだ。ユーザーは「squareリーダー」を1000円で購入する(購入後に指定の銀行口座に返金されるため、実質無料)。初期費用や月額利用料はかからず、決済のたびに利用金額の3.25%(これはどの会社もほぼ同じ位)の決済手数料がスクエアやカード会社に徴収される。
利用者は自分の持っているスマホやタブレットのイヤホンジャックに小型端末を差し込み、インターネット経由で登録を済ませる。専用ソフトをインストールするとすぐスマホやタブレットがクレジットカード決済端末になる。
スクエアが2009年に米国で世界初のサービスとしてスタートした、この決済サービスは、中小企業・店の味方と言われている。特に2012年に米国のスターバックスコーヒー7000店舗に導入したことで、一気に知名度が上がった。
このスクエアを米国やカナダでは既に420万店舗が導入した。スクエアの取扱高は約1兆5,000億円(日本円)と抜きん出ているという。
今から10年はたつが、米IBMはパソコンビジネスから撤退表明し、事業を中国のレノボに売却した。機器の販売から、サービス(ソリューションサービス)を基幹ビジネスへと戦略転換したIBMは今、かつての高収益企業の輝きを取り戻している。
そして世界最大の電機関連メーカー、ゼネラル・エレクトリック(GE)は「インダストリアル・インターネット」をドメインとして、高度なハードを効率よく運営するためのサービスを促進する会社に変身しようとしている。
自社で作った航空エンジンや医療機器などのあらゆる情報集積と解析をして効率的な経営戦略を支援するサービスの提供である。
日本ではコマツが世界中に売ったブルドーザーなどの利用状況を常時把握し、効率よい使用の情報サービスを提供している。
一方で、経営の神様、松下幸之助が創業したパナソニック(旧松下電器)が苦しんでいる。今、必死の構造改革をしているが、パナソニックの経営悪化の最大要因は、経営トップの「意思決定(ジャッジメント)の誤り」であろうか。
特に、時流の変化に対しては、ほんの少しの判断ミスがその後、大きな赤字を生む。パナソニックはテレビや白物家電が儲からない商品になってしまったのに、従来のやり方で市場を攻めていったといわれている。
特に中国や東南アジアでシェアを取れなかったのは「コモディティ商品」では致命的になった。しかも、プラズマテレビにこだわり、基幹工場である尼崎工場に約5,000億円の投資をしたのだが、その時、既に市場は液晶テレビに変わっており、サムソンやLGなど、韓国メーカーの後塵を拝す状態になっていった。
つい最近、半導体部門の大リストラを発表した。これも中国・韓国・台湾メーカーに敗れたからといえる。従業員も半減し、一部の工場は閉鎖した。
そして今、これまでのテレビや携帯電話、デジタル家電向けから付加価値の高い車載や産業機器向けに軸足を移すことによって、転換戦略をはかっている。
外資企業は一部、おもしろい動きをしている。フランスの世界最大手の化粧品会社、ロレアルは、日本で高級化粧品の生産能力を高め、アジアの輸出拠点にする。「御殿場工場を増設する」と発表した。
これはアジアの国々が豊かになり始め、品質にこだわる消費者が増えていることに目をつけての戦略である。「『日本製』を武器にアジア市場を開拓する」という。
ヨーロッパのコングロマリット企業であるユニリーバも相模原工場で、今後、高級ヘアケア関連商品を増産する計画だ。
日本のメーカーが生産工場をアジアに移す方向へと動いている一方で、その逆の動きをしているのだから、おもしろいものである。
ソフトバンクは時価総額で今やトヨタに次ぐ大きな会社になった。社長の孫さんの戦略のほとんどがこの15年くらいあたってきた。
創業30年足らずの会社であるが、パソコンソフトの販売会社、ADSL事業者、そして携帯電話会社として中心事業をめまぐるしく変化させ、その全てで結果を出してきた。
同社が並のIT企業と異なるのは、通信インフラの整備である。特に孫さんがチャレンジしなかったら、通信料はこれほどまでに安くはならなかった、という評価ができる。
そういう面で社会貢献も大きい。その上で成長を続け、業態の変化と公共性の双方を兼ね備えているのは特筆できる。
しかし、一人のカリスマ経営者への依存が高いということは大きなリスクである。「万が一…」という時にどうするのだろうか?そういった面でも、企業にとって、特にオーナー型やカリスマ型の会社のように、創業者の創った会社はいつも後継者育成問題を抱えている。
日本の専門店チェーンで初の1兆円売上げを達成したユニクロも同様だ。最近、創業者の柳井さんが「もう少し続ける」といって話題になった。
30年ほど前に、日本で最も元気で成長していた会社はスーパーのダイエーである。カリスマ経営者、中内功氏の小売業界における功績は大きい。しかし、一代で1兆円企業を創ったが「永続性への道」は断たれた。企業存続に絶対はない。大企業は大企業なりの戦略と生き方があり、中小企業・同族企業にも戦略と生き方がある。ベンチャー企業とて同様である。
それは時流に取り残されず、つまり「お客様の変化・要望に応え続ける」ということでもある。そして、経営の原理原則をしっかり堅持し、幹が太くなるよう土台のしっかりとした会社づくりを一歩一歩積み重ねていくしかないのである。

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