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和田塾通信2014/01

2014年1月 和田塾通信〔№45〕

今月気に入った言葉、気になった言葉

『人生のどの一瞬をとっても決して無駄なことはない。過去の失敗やうまくいったことを糧にして悔いのない人生を歩いてみたい』

私たちは、人生の中で、上手くいかなかった時に、意気消沈したり、後悔したりする。しかし、そこにとらわれることなく、反省は反省として、それを生かしていくことで、さらに前向きになり、日々、精進でき、充実した人生を過ごせるようになるのではないだろうか?

『会社の寿命の「短命化・老化」に気をつけよう』

「会社経営の目的は永続性にある」、これは私が常々言ってきていることだ。倒産は、最悪の悲劇である。私が独立創業した1990年は、いわゆるバブル経済が崩壊した直後で、まだ日本全体がバブル景気の余韻にひたっていた。
 だが実は、金融機関が野放図な政策で生んだ過剰流動性、つまり、わけも分からず貸付け(回収や担保を考えず)をして残ったのは負債だけ、という有様だった。
 この時期、会社も個人もバブル崩壊の影響を受けなかった人は、本当に凄い人だったと、その後の10年たってからわかる。
 しかし、崩壊の後遺症は徐々に会社経営にダメージを与え始めていた。失われた20年が始まっていたのである。
 もう一度ここで言っておこう。「景気の良さとバブルは紙一重のところがある」。2000年にはITバブルがあった。そして、時価総額経営がもてはやされたが、それもあっという間に弾けてしまった。
 その頃、孫さんがソフトバンクを上場した後で「時価総額経営」を標榜し、それを公言していたが、ある時から口に出さなくなった。誰かに言われたのだろうか?
 やはり、そこは、孫さんは頭の良い人だと思う。それから15年近く経つが、彼のビジョンである「世界一のモバイルインターネット会社」を目指し、あらゆる手立てをして猛進している。
 彼の事業体づくりと資本政策は、我々、凡人にはほとんど分かりにくい。分かるのはM&Aをし続け、短期間に世界一になること、つまり「モバイルインフラの№1企業になる」ということだ。
 そのために、借金ベースでは10兆円という途方もない額になっている。孫さんの戦略の一つであるが「通信は、大衆が携帯電話を使った瞬間から通話料が入金される、その収益モデルこそが最大の担保価値」と考えているのだ。
 少し論点がずれてしまったが、孫さんの戦略は「モバイルインターネットで世界一になれば、会社は存在価値が増大し、結果として永続性が保てる」ということにあるから、ビジョンと度胸と戦略で進んでいるのだと思う。
 さて、話しを90年代に戻そう。90年代も2、3年経つとジワジワと後遺症が出始めてきた。一挙に金融規制が始まったからである。そして1998年の北海道拓銀の倒産をピークに、信用金庫や信用組合まで崩壊し、中小企業にとっては資金ぐりがどうにもならなくなったのである。
 ひどい年には倒産件数が1万件を超え、負債総額も100兆円を超えた。経済がストップしたような状況になったわけである。この頃が日本経済の戦後最悪の状態だったと思う。
 だが、その一方で、IT社会、とりわけインターネットが普及して、それに伴うビジネスが開花し始めた。そして、もう一つが携帯電話の技術の進化と普及である。
 特に2005年から2010年位に、一言でいえば、IT系のコンテンツビジネスに20代から30代の起業家が続々と参入してきた。
 今でもそうだが、社会全体が成熟化し、グローバル化、IT化してくると、ビジネスそのものが難しくなり、また、参入障壁が高くなる。
 そのため、ある程度の資金的裏づけがないと、起業ができない。さらに、もう一つの課題は社会的風潮といえるかもしれないが「チャレンジする若者が減っている」ということだ。「変化は危険」ととるか「変化こそチャンス」ととらえるか、これは起業家の考え方一つによる。
 スピード倒産の上位は不動産関連というデータがある。2000年代前半にかけて「新興デベロッパー」と呼ばれた大手デベロッパーから独立し、起業した新興マンション分譲業者が、不動産バブルの波に乗って業績を伸ばしていた。
 しかし、サブプライムローン問題、リーマンショックに端を発した外資マネーの引き上げや銀行の融資引き締めによって、「不動産バブル」が崩壊した。
 その影響で倒産が続出していたのが2008年から2009年にかけてだったため、スピード倒産企業の中に不動産業が多かったということである。
 企業が輝ける旬の年数は決して長くない。超優良企業ですら30年までも輝けない。そこそこの優良企業で輝けるのは10年程度だ。
 一方で、起業から倒産までの純粋年齢は伸びているものの、スピード倒産トップ10は全て1年保たずに倒産しているというデータがある。
 こういう状態であれば、あえて危険の多い会社経営そのものを自ら挑戦していこうというチャレンジャーは自ずと少なくなるのは当然であろう。ここに今の日本の問題も内在している。
 日本経済新聞が2013年に久しぶりに「会社の寿命」の調査をし、発表した。前回は1983年であるから30年前である。その時には「会社の寿命は30年」であった。
 調査対象は上場会社であり、算出方法については、ここでは、紙面の関係から書かないが・・・。それが今回の調査では「会社の寿命は18年」だった。
 多くの日本の経営者にとって、この数字が一つの目安になっているのは事実である。しかし、全国の商店街を見ればわかることであるが、商店街は空洞化から崩壊状態になった。
  ほとんどが家業レベルの店であるが、閉店、廃業である。継ぐ人がいない。つまり、これは既に家業レベルの店はよほどのノウハウか、技術、あるいはウデがない限り続かないし、新しくチャレンジする人はいないということである。
 大きくなった会社も、元は「○○屋」「○○商店」レベルの商売であった。1兆円規模になったユニクロですら、山口県の小さな小売店からのスタートであるが、今の社長の柳井さんは、新しい時代に学び、イノベーションし続けて現在を築いてきている。
 スピード倒産とは真逆であるが、会社も一つの組織体である。気づかぬうちに老化をしている。これが倒産に結びつく。「会社の老化」とは、実は成長することによってもたらされるものでもあるから、注意しなければならない。
 会社の成長は、すなわち会社の規模が大きくなるということである。成長とは、大きく次の三つのことをもたらす。一つは、社員や事業の「数が増える」、二つ目は組織や運営手段が「複雑化する」、三つ目は社員の数が「均質化する」である。
 このことによって特にマネジメントが難しくなるのである。難しくなるということは、社長の能力が会社の成長やその時に発生する諸問題を解決するのに不足しているということでもある。
 「会社経営の責任はすべて社長にある」「会社は社長の器(うつわ)以上に大きくならない」
 ということを私はいつも言っているが、このことを意味する。厳しいものである。
 成長を目指すと、上記のような三つの壁のようなものが必ず出てくるが、具体的には次のようなことがある。

①ルールや規制の増加
②サラリーマン主義の蔓延
③報連相のためのコストが増大
④社内評論家が増加
⑤承認者が増殖
⑥階層化の進展
⑦分業化の加速
⑧過剰品質化
⑨顧客視点の希薄化
⑩会議のための会議が増加
⑪商品構成の複雑化
⑫集団意思決定への移行
⑬経営陣、幹部の没個性化
等々が自然発生し、これらが経営効率の悪化をもたらす。だから、私は会社が大きくなる時ほど「単純明快、簡単に!」をウルサク言う。
 そして社長が現場を知らないと駄目である。  成長と共に現場から離れる社長が多くなる。悪く言えば「任せきりという無責任経営」になりがちになる。
 これは「社長は現場で汗をかけ」ということではなく「お客さんのことを知り」「現場で働く社員やパート、アルバイトの実態を知る」ということである。つまり「答えは現場にある」ということだ。
 私はそのために三つの行動を提案している。「会う、聞く、話す」である。これらは、コミュニケーションの一番大切なことだ。昨今はメールですませてしまう社長も多いが、できるだけこの三つは現場で実践してほしい。これが「実感経営」である。
 こうした行為こそが、ドラッカーの言う「イノベーション」と「マーケティング」の本質を追求する原点であると思う。
 老化が早まる会社は、このようなことを怠った時に始まる。それでは、会社の老化を防ぐためにはどうしたら良いか?

 次の10項目を見直してほしい。
<会社の老化を防ぐには>
1. 時流に敏感になる
2. 常に学び続ける(会社の風土として)
3. 常に会社の「独自性」を求め形にする
4. お客様視点を忘れず、お客さんとのキャッチボールを形にする
5. 会社の風通し(上下、横のコミュニケーション)を常に良くする
6. 業績の悪い時に、世間(景気)のせいにしない
7. 過去の成功体験にとらわれず、常に進化する姿勢を持つ
8. 現場の人(若い人、パート等々)の声を経営に生かす
9. 急いで会社を成長させない(業界によっては違う)
10. 負の部分(赤字、ムダなコスト、改善への無関心)に注力する経営

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