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和田塾通信2014/02

2014年2月 和田塾通信〔№46〕

今月気に入った言葉、気になった言葉

『素直、勉強好き、プラス発想』

このシンプルな言葉こそ、我が師、船井幸雄さんが「人間成長の根源である」として、創業期の日本マーケティングセンター(現・船井総合研究所)の社員に教示したことである。そして、船井思想として広く使われるようになった。お釈迦様や儒教の教えの中にもあるが、船井さんが単純・明快に教えてくれたこの言葉が私の行動の源泉になっていることは間違いない。

すべては常に進化し、衰退する。だから「イノベーション」が必要

2012年と2013年にシカゴから西海岸のサンタモニカまで、「ルート66」を車で走った。以前に、このレポートでも書いたが、20世紀初頭、ヘンリー・フォードが大衆車のT型フォードを大量生産し、アメリカの車社会は急速に発展した。それと共に車で走る「良い道」を造ろうと計画されたのが、この約4400キロの道路「ルート66」である。
1926年から1984年の58年間「ルート66」はアメリカの物流を支えるメインストリートとして活躍した。しかし、時代変化は無情である。
車の性能はますます上がり、人々は「より早く、より快適に」走ることのできる道を希望した。同時に、カリフォルニア州が新しい成長エリアとして飛行機産業や映画産業に中心に発展していって、自然と西へ西へと人々が大量に移動していったのである。
小さな町を一つひとつつなぎ、曲がりくねって造られた「ルート66」は、時代のニーズに合わなくなった。そこにインタースティトといわれるハイウェイが出現し、「ルート66」はその役割を終えた。
しかし今、「ヒストリック道路」としてゆっくりのんびり歴史懐古しながらロードツアーを楽しむ人達が増えているし、それぞれの町の人達が「古い『ルート66』を新しい観光(ヒストリック)エリアとして復活させよう」と動きだしている。
JR九州は、九州新幹線が開通してから、確かに関西方面からの客数が伸びた。しかし、九州ばかりでなく、今、人口減に伴い、在来線の利用客数減は大きな経営課題である。
新幹線や高速道路が開通するエリアは在来線の利用客は減る。これから20年先を考えた時、JRにとって地方に行けば行くほど、在来線の存在価値そのものが問われるようになる。
そんな中で一早くJR九州は「豪華列車の旅“七つ星”」とうたって在来線利用の新しい価値創造を提案し、価格が1人30万円以上にもかかわらず、シニア層を中心に「売り出すとすぐに満杯になる」という人気ぶりだ。
 これなどもかつて繁栄を極めたものが一時衰退し、それを再生するというものだ。「古さに新しい価値を創造した」といえるだろう。
つまり、イノベーションレベルでいう「製品・サービスイノベーション」というものである。
 昭和の時代は、全国の人口2~3万人の町にも商店街があった。しかし、昭和から平成に変わる頃の今から25年以上前に、大型店の進出と、郊外の住宅街が出来ると共に、商店街は空洞化していった。今や全国の商店街は完全にその機能を失った状態になっている。
そして今、新しいショッピングセンター時代とコンビニ時代を迎えている。ショッピングセンターはアウトレットS/Cが完全に定着した。イオンが展開し始めているのは「モノからコトへ」という、物販よりは時間消費型の体験型消費に力点を置いたS/Cづくりである。
そして、そのS/Cには医療、教育、育児、公共サービス、宅配サービスなど社会的サービスの充実が必要とされている。
つまり、これからのショッピングセンターは、旧商店街の機能を社会的責任においても果たしていかなければいけないし、その責務を負っているということだ。
そこに本来のマーケティブイノベーションがある。マーケティング学者のフィリップ・コトラーは、最近のレポートで、「マーケティング3.0の時代が来ており、この3.0は社会を良くしようとする気持ちがマーケティングの中に必要だ」と説いている。
1960年から1980年代まで、ダイエーやイトーヨーカ堂等々の「量販店」が全国を席巻し、小売の王者となったが今、振り返ると、約20年間の栄華であったことが分かる。
新日本製薬株式会社(後藤孝洋社長、本社・福岡市)は、元々は、訪問販売の会社からスタートしている。しかし今、その訪問販売は存在しない。10年程前から「通信販売」に販売方法を移したからである。
そして扱い商品も化粧品と健康食品に重点を置く。特に9年ほど前から扱っているオールインワン化粧品の「ラフィネパーフェクトワン」は、発売以来2000万個を売るという大ヒット商品となった。
同時に今、新日本製薬ばかりではないが、従来のテレビ通販、新聞通販も曲がり角に来ている。そのことはジャパネットたかたの高田社長も公言している。
今、インターネットが普及し、スマートフォン経由の購買も急速にシェアを伸ばしている。旅行などの予約、情報、ゲームまでも、そこから取り込むという時代が来ている。
新日本製薬のイノベーションは、商品イノベーションもさることながら、販売方法のイノベーションに手をつけ始めている。そのポイントは「オムニチャネルマーケティング戦略」だ。
「いつでも、どこでも、どんな方法でも」というように、顧客ニーズの多様化は現実化している。一つの例を挙げれば「電車の中で、スマートフォンを使い、買いたい商品を受け取れる場所で必要な時に受け取れるよう購買発注を出す」ということだ。
これから10年先に、このオムニチャネルマーケティング戦略を完成させたところが、小売・流通の覇者か、生き残り企業になっているだろう。
観光土産業も著しく変化している業界である。1980年代位までは観光地や温泉地に行くと、その温泉街にある土産物屋か、ホテル・旅館内にある売店でお土産を買うというスタイルであったが、90年代、2000年代に入って大きく変わり始めた。
最も大きく変わった点は「買う場所が変わった」ことで、もう一つは「買う商品が変わった」ことである。
買う場所は「高速道路のサービスエリア」がかなりのシェアを伸ばした。それは品揃えや売り方などを魅力的なものにしたからにほかならない。
そして「道の駅」の成長も大きい。道の駅は今や全国で1000ヶ所を超えるし、それぞれの地域の野菜、果物、魚など生鮮品を揃え、人気を呼んでいる。もちろん、観光客だけでなく、地元客も60%以上を占める。
羽田、新千歳、福岡などをはじめ、年間100万人以上の利用客のある地方空港の土産品も大きく変わった。
特に「楽天市場」は、ある面において、地方の小さな個人商店レベルの商人にとっても大きな飛躍のチャンスを与えたといえる。
こうした大変化の中において、株式会社TTC(河越康行社長、本社・熱海市)は、この20年、イノベーション、イノベーションの連続であった。経営理念「お客様の感動創造主義に徹し・・・」を掲げ、卸業から、企画、販売を自らするというように業態変更をイノベーションしている。
一つは、高速道路のサービスエリアの大規模店運営、観光地におけるアウトレット店での大型店の運営、路面店の地元商品と自社企画商品を扱う大型店等々である。
そして、地域一番店のホテル・旅館の土産店のテナント運営、中でも別府の温泉旅館、杉乃井の売場は、年間6億円売るという日本でもトップクラスの売上げを誇る。また、テレビ会社とタイアップした企画モノのキャラクター販売などもある。
このように、「お客様志向の変化、マーケットニーズの変化」に対応することによって、自らイノベーションをしているのだ。
以上の二つの会社の事例を簡単に挙げさせていただいた。現在、私たちは、それぞれの業界の中で、それぞれの会社経営をしているわけであるが、大きな変化は、旧来のやり方や経験が通用しなくなってきていることである。
特に日本は成熟国家といわれるように「少子・高齢化・人口減」の時代を迎えている。これこそが顧客の「モノを買う志向の変化を生んでいる」。
一例であるが、最近、お一人様専門のカラオケができている。これも大きなマーケットの変化の一つだ。これからは「お一人様」「お二人様」が大きなマーケットのキーワードになるだろう。
1人で生活していたら、「お菓子やお饅頭は欲しいけど、5個も10個も入っているものは買わない」というような拒絶反応を起こす。こういうことに素早く対応しているのがコンビニである。
イノベーションの一つは「技術の革新」、今、インターネットやスマホの時代になった。あらゆる情報収集や情報分析ができる。したがって、これらを使う、また活用することによって、ニュービジネスのチャンスもまだ当分あるだろう。
もう一つは永遠のテーマであるが、「お客様の不満・不便・不快などの不の解消」をすることによっても新しいビジネス、商品開発のチャンスはある。こうしたイノベーションを起こせるかどうかである。
三つ目は、これらに対応できる人間の能力と意識の問題だ。「社長の能力、社員の能力」特にイノベーション構想力と行動力が大きなテーマである。
アベノミクスで新成長戦略を挙げているが、自分の会社でも新成長戦略、イノベーション戦略を見直し、行動する時が来ている。

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