「ワダのその時、思ったこと、感じたこと」 (2021/12/1 №99)

習近平の「民間企業の統制」続く

最近、中国の共産党による民間企業への締めつけが世界の注目になっている。昨年来のアリババやテンセントなどのトップに対するものも習近平共産党主席の民間企業に対する明確な意思表示である。

最近、「独占禁止を強化し、競争政策を推進することは、社会主義市場経済体制を改善する内在的な要求だ」と共産党会議で習主席が述べたことが話題になっているという。つまり巨大ITなど民間企業を引き続き統制する考えを示したものだ。

中国当局は、2020年11月にアリババ集団傘下の金融会社、アント・グループの新規公開(IPO)を延期させて以降、IT企業の締めつけを特に厳しくしており、アリババ集団に独禁法違反で約182億元(約3,100億円)の罰金を科している。

だが、中国当局は、民間企業より独占のひどい大手国有企業には独禁法を適用していない。逆に国有企業同士の合併を促し、国有企業による寡占化をさらに進めている。

中国では、民間企業の生産性が国有企業を大幅に上回っているが、「民間たたき」は経済の生産性を落とし、経済成長にも影響を及ぼすとも言われている。